四方拝
公開日:2010年1月9日
四方拝(新年)
1月1日。元祝祭日の中の四大節の一つ。
元旦における宮廷行事の一つで、天皇陛下が元日の早朝、天地・四方を拝する儀式。元日の寅の刻(午前四時)、綾綺殿(更衣所)で黄櫨染の袍(黄櫨染は赤みがかった黄色に染めるもので天皇の第一の正装をいう)を着して、清涼殿の東庭に出御し、属星(その人の運命を左右するといわれる星)、天地四方、父母の山陵を拝される。その年の天災を祓い、五穀豊穣と宝祚長久、天下太平を祈願する朝儀であった。
四方拝の起源は中国に発するといわれ、日本では平安時代初期に宮中にならって貴族や一般庶民の間でも広く行われ、元日の朝、四方を拝して五穀豊穣と無事息災を祈ったといわれるが、時代が移るにつれて宮中だけの儀式になった。
明治以後は、皇居内の神嘉殿の南庭で、伊勢皇大神宮(内宮)、豊受大神宮(外宮)の二宮に向かって拝礼されたあと、東西南北に向かって四方の諸神を拝されるように改められた。