月の異名(一月)

月名の異称

《一月》 睦月(むつき)

旧暦の一月の異名称。むつびづき・むつびのつき・むつまじづき。

一月を「むつき」と呼ぶ由来については昔より諸説ある。

まず第一に、室町時代に成立した『節用集(せつようしゅう)』や鎌倉末期に成立の『二中歴(にちゅうれき)』には、正月は身分の上下無く、また老いも若きもお互いに往来して拝賀し、親族一同集まって娯楽遊宴(ごらくゆうえん)するという睦(むつ)び月の意であるとし、このムツビツキという言葉が訛(なま)ってムツキになったという説が書かれており、現在、この睦び月説が有力である。

平安後期の歌人藤原清輔(ひじわらのきよすけ)の『奥義抄』、室町後期の学者一条冬良(いちじょうふゆよし)『世諺問答』、江戸中期の学者新井白石『東雅』なども、この睦び月説をとっている。

これに対して、「元(もと)つ月」が略されてムツキになったという説(賀茂馬淵『語意考』や、草木の萌きざす「萌月」が約されたものだとする説(屋代弘賢編集の『古今要覧稿』中の平田篤胤の説、また、春陽発生の初めである「生む月」のことであるとする語源説(谷川士清『和訓栞』などがある。

ちなみに、大槻文彦の『大言海』は、「実月の義。稲の実を初めて水に浸す月なりという。十二ヶ月の名はすべて稲禾生熟の次第を逐いて名づけしなり。一説に相睦び月の意というはいかが」という態度をとっている。

正月(しょうがつ)・睦月(むつき)・元月(げんげつ)・端月(たんげつ)・初月(しょげつ)・嘉月(かげつ)・泰月(たいげつ)・初春月(はつはるづき)・初空月(はつそたづき)・霞初月(かすみそめづき)・暮新月(くれしづき)・太郎月(たろうづき)・子日月(ねのひづき)・三微月(さんびづき)・早緑月(さみどりづき)・初春(しょしゅん)・新春(しんしゅん)・孟春(もうしゅん)・子春(ししゅん)・上春(じょうしゅん)・王春(おうしゅん)・開春(かいしゅん)・献春(けんしゅん)・首歳(しゅさい)・初歳(しょさい)・肇歳(ちょうさい)・開歳(かいさい)・方歳(ほうさい)・芳歳(ほうさい)・華歳(かさい)・発歳(はつさい)・献歳(けんさい)・主月歳(しゅげつさい)・年初(ねんしょ)・歳首(さいしゅ)・歳始(さいし)・甫年(ほねん)・青陽(せいよう)・孟陽(もうよう)・正陽(せいよう)・初陽(しょよう)・履端(りたん)・始和(しわ)・解凍(かいとう)・月正(げっせい)

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